1. アピストグラマの魅力とは?(アピストグラマの分類)
  2. おススメ飼育設備
  3. アピストの好む水質は?(PHとは?、その他の水質を見る上でのファクターについて)
  4. アピストグラマの産卵について(編集中!)
  5. 底床について
  6. ろ過について
  7. 餌について
  8. 魚の運搬と水槽への放し方について
  9. RO浄水システム紹介
  10. アピストの自然性転換について
・アピストグラマのことなら・やっさん研究室Ⅱ 本文へジャンプ

コラム


アピストグラマを飼育してきた中から私が得た知識、経験をコラム形式で紹介します。
参考までにご覧ください。

現在編集中です。


1.アピストグラマの魅力とは? (2007・8・14 記)

アピストグラマは主にブラジルからペルーにかけてアマゾン河に(アマゾン河、ネグロ河、マディラ河、ソリモエス河)代表される大河&支流に住んでいます。


 アピストグラマに代表される南米ドワーフシクリッドは殆どが婚姻色に代表されるようにフォルムが非常に美しく体長10cm以下なので小型水槽から楽しむことができ、一部の種類を除いて飼育レベルも普通で少しの水質環境の調整(ピートの投入等)にて繁殖も狙えます。また水草との相性も抜群なので水草レイアウト水槽のアクセントとして導入するという楽しみもあり,更に地理的分布、外部形態の違いと同種間でも地域差により形態の豊富なバリュエーションが見られることからコレクター性も非常に高く根強いファンに支持されています。  


 アピストグラマは卵を産んでからかなりの期間まで子育てをします。卵が孵化し自由に泳ぎだした頃、稚魚が親に保護され親が子を引きつれ水槽内を我が物顔で泳ぐなど微笑ましい後景をみることもできると思います。普段は冴えない雌の体色もまっ黄色に染まり相当に美しくなります。この瞬間がアピスト飼育の醍醐味と言ってもいいと思います。繁殖にまつわるイベントを体験することがアピスト飼育の醍醐味と言っても過言ではないでしょう。皆さんもこの醍醐味を味わってみてください。なんともいえない感動を味わうことが出来ると思います。

アピストグラマの分類(Southamerican Cichlids Ⅱより引用)
*体形、体側斑紋、頭部の形状などによるグループ分類が一般的!
グループ分類は新種などの発見とともにより細分化される傾向にあるため、参考として紹介しておきます。
1.カカトゥオイデス・グループ
2.ブレヴィス・グループ
3.ナイスニィ・グループ
4.マクマステリィ・グループ
5.ビタエニアータ・グループ
6.エリザベサエ・グループ
7.アガシジィ・グループ
8.レスティクローサ・グループ
9.レガニ・グループ
10.ヒッポリタエ・グループ
11.シュタインダックネリィ・グループ
12.ギビケプス・グループ
13.クルズィ・グループ
14.ボレリィ・グループ
15.ディプロタエニア・グループ
16.ウアウペシ・グループ
17.トリファスキアータ・グループ
18.ペルテンシス・グループ
19.プルクラ・グループ



以下にan aquarium 志藤氏より教授いただいた情報を参考に私なりに構築したアピスト新飼育法(2007・8月時点)を紹介します。


2.おススメ飼育設備   (2007・8・15 記)
推奨飼育設備一例
・36cm水槽(18L) *複数設置の場合、並列に置くのがベター!
・アピストペアまたはトリオでの飼育
+ゴールデンハニードワーフグラミー1匹(ヒドラ対策などで必要)

その他混泳魚としてラスボラ数匹程度(カムフラージュ&残り餌対策など)を入れてもOK
・ブリラントフィルターかビリーフィルター{どちらかといえば前者が良い}
(立上パイプを短くし、スポンジと底面の間隔を3~4cm作る。)
・流木Sサイズ なるべく面が多くなるように置く。
・底砂(薄く敷く)2mm厚くらい
{底砂に影響を与えないものでアピストが口に入れられる大きさ
(2mm程度)のもの、詳細は後で記述}
・浮き草(ウォータースプライト等)
↑水質浄化能力(硝酸塩除去)と魚を落ち着かせる&魚の隠れ家として!
・小型種のアヌビアスかミクロソリウムなど陰性で活着性の水草を1株程度

右欄に参考写真。(もう少し浮き草が繁茂した状態がベストです。)

上記はあくまで一例なので水槽サイズによって若干の工夫は必要です。
・変更例

45cm水槽の場合、ブリラントフィルターを2基にするか、ダブルブリラントフィルターにする。あと流木のSサイズを2個にする。 など

何故複数設置を勧めるか!

・水槽を並べて飼育することで隣の水槽の個体を意識して同水槽内のペアの絆が深まるとともに人間や飼育環境に対しての警戒心を緩和することができるのでトラブルが少なくなり、繁殖も成功することが多い。
・副産物的な効果として機材を有効に使えるようになる。(特に照明)
36cm2本縦置き→45cm用蛍光灯1基、45cm2本縦置き→60cm用蛍光灯1基で
済む。


3.アピストグラマの好む水質は? (2007・8・14 記)

一般的にアピストが好む水質は弱酸性~中性の軟水といわれている。だが一部の種類や産地(ネグロ河など)を除いてはPH7程度までなら問題なく飼育できると思われる。アマゾン河でも雨季であれば上記のPH程度で推移していると思われるが、アピストが採取されるのは乾季が殆どであるので入荷時の袋内のPHを測ると弱酸性になっておりアピストは弱酸性が一番だという錯覚にとらわれるのでと思うし実際私もある程度飼育を進める上ではそう感じていた。ただPH7.0程度で飼育するときは軟水でPH6.5以下の場合よりも更にろ過が充分に効いた水質の安定した状況であることが最優先になります。またアピストの飼育をするときはPH測定器の1つぐらいは持っていたいものである。
私のお勧めするPH測定器はマーフィード社から出ているPHモニター P-1です。価格的にも¥10,000前後で購入でき、長期的な計測も可能なので時系列の数値変化も計測できるのがお勧めのポイントです。


私の経験上アピストが状態よく飼育&繁殖できる水質環境として
PH5・5~6 、TDS 60~120ppm  位が
適していると思われる。
(但しネグロ河産のものはPH5前後、TDS 50ppm前後位がベター)
 
+ろ過の充分に効いた軟水


私が考えるアピストの換え水・普通種であれば家庭用浄水器(塩素、トリハロメタン除去機能有)を通したもので2時間ほどエアレーションしたもので且つ大まかな水温調整のみで充分、但しネグロ河産など水質にうるさい種などはピート、クヌギなどの枯れ葉投入、若しくはバイタルの添加など更なる水質調整も必要と思われます。


私の家では水質調整する際はクヌギの枯れ葉を投入しています。(36cm水槽ならば5枚程度)

PHとは?
水質をみる上で重要なファクターとなるPHについて簡単に触れたいと思います。(写真はPH測定器)
 
 PH(ペーハー)=水素イオン濃度。
中性(PH7,0)を分岐点にしてそれより低いと酸性(PH6,9以下)、高ければアルカリ性(PH7,1以上)となる。
 
 PHが変動する要因として
■生物濾過(出来ている場合は酸性に傾く)
■水換え(入れる水によってupかdownする。日本の水道水はPH6,5前後,井戸水はPH7,0~8,0程度,海水は8,0~8,5程度と言われている。)
■CO2添加(PH降下)
■O2添加(PH上昇)
■PH効果のある濾材・底床材(効果によりupかdownする。)
 
*PHが1違うと水素イオン濃度は10倍違います。PH5の水はPH6の水より水素イオン濃度が10倍高いということ。
 
*飼育適正PHから外れると体調を壊したり最悪の場合はショック死したりすることもあります。だから最初に飼う魚としては弱酸性~中性の熱帯魚を飼うと水道水がPH6,5前後の為、管理しやすい。
 
また、私の経験や周囲の意見からですが、酸性よりアルカリ性のほうがPHが変動しやすく管理しにくい傾向があると思います。(上記のことから最初は淡水魚から始めた方が良い。海水は淡水をこなせて始めてこなせるものらしいです。海水はアルカリ性ということを覚えておいてください。)
 
その他の水質をみる上で使用されるファクターについて

■総硬度(GH)
水中のカルシウムとマグネシウムの量で決まる。日本の水道水は硬度の低い軟水の為、特別な熱帯魚を除いてあまり気にしなくて良い。熱帯魚の場合は3~16°dhが正常とされる

アピスト飼育の場合は
1~5°d位が適当(できれば3°d以下で管理できると更に良い)
 
■炭酸塩硬度(KH)
水槽内の炭酸水素イオン濃度のこと。PHと深い関係にあり、炭酸塩硬度を下げるとPHも下がります。2~8°dhが正常とされる。

アピスト飼育の場合は
1~3°d位が適当(できれば2°d以下で管理できると更に良い)
 
■アンモニア(NH3)
排泄物や残餌により発生する最も毒性の高い物質。アンモニア数値が高い原因は、ろ過バクテリアの一種である、亜硝酸バクテリアが充分に発生できてないということを示します。数値が高い場合の対策としては、給餌量を減らして、水換えか濾過能力のアップをする。 0に近いほど濾過能力が高いといえる。(ろ過能力はろ過装置のストレーナー{吸入口のこと}にスポンジをつけてやるだけでかなり上がります。)
0.25mg/㍑未満が正常値とされる。

アピスト飼育の場合は
検出されないこと!
 
■亜硝酸(NO2)
アンモニアの次に毒性が強い。アンモニアが濾過バクテリアの亜硝酸バクテリアによって亜硝酸に変化する。亜硝酸数値が高い原因はろ過バクテリアの一種である、硝酸塩バクテリアの発生が充分ではないことが考えられます。数値が高い場合は給餌量を減らして濾過能力のアップをする。 0に近いほど濾過能力は高いといえる。
0.8mg/㍑以下で維持することが大切。逆に言えば0.8mgになる前に換水することで対応できます。

アピスト飼育の場合は
検出されないこと!

 
■硝酸塩(NO3)
亜硝酸が濾過バクテリアの硝酸塩バクテリアによって硝酸塩に変化する。数値が高い場合は、底床材の洗浄を含めた総水換えをする。
25mg/㍑以下で管理すること。

アピスト飼育の場合は
20mg/㍑以下で管理しましょう。(理想は10mg/㍑以下)

 
■TDS
水中の総電解物質量のこと。低いほど不純物が少ないことを指していて純水(軟水)にちかいことを表している。(RO浄水器を使っている人はフィルターの交換時期の目安になるので必要になる。)

アピスト飼育の場合は
50~120ppmで管理できればOK!(できれば100ppm以下)

 
■酸素(O2)
酸素が水に溶け込む。酸素が不足している場合は、エアレーションにより酸素を補給してやる。 少なければ水面近くに鼻上げしたり、エラの動きが早くなるなど目で見て分かります。
 
■二酸化炭素(CO2)
水草中心の水槽には必須。CO2供給装置を使って水中に添加する。
20mg/㍑以下で管理すること。(理想は5~15mg以下)
 
*上記のうち、酸素・亜硝酸濃度・アンモニア濃度・TDSはPHと同じくらい(いやそれ以上)大事です。
目に見えない亜硝酸濃度とアンモニア濃度は測定器具を買ってチェックするようにしてください。
特に立上げ当初は変動しやすいです。



4.アピストグラマの産卵について (2007・12・22 記)

アピストグラマ飼育の最大の醍醐味は繁殖成功時の親子での混泳を見ることであると思う。<編集中>




5底床について (2007・8・14 記)


水質管理がしっかりできることが条件となるが、水質に影響を与えないものでアピストが食む(はむ)ことができる程度(砂粒の大きさは1.5mmぐらい)のものを3mm厚 程度に薄く敷く

何故3mm厚程度なのか?
・底床の掃除の際、底砂も一緒に吸い出して洗浄後 元に戻したり、底砂交換も容易にできる。
・底床を薄くしておくことエロモナスやカラムナリスの予防ができる。

・底床に付着した微生物や苔を満遍なく食む(はむ)ことができる。 
・若干であるが底床にバクテリアが定着するので水質の長期的維持が可能。

長期的維持を考えた際、ソイルは粒が崩れたりして交換頻度が高いのであまりおススメしません。

おススメの底床は?
・溶岩砂(パワーハウス、マスターサンドなど)
・大磯砂(細目)


6.ろ過について(2007・8・14 記)

テトラのスポンジフィルターが最適だと思う。
立ち上がりも早いし、シンプルな構造なので異常が目に見えやすい。あとコストパフォーマンスもなかなかなのでおススメ!
水量別使用フィルター基準:
(水量20㍑以下 ニュービリーフィルター)
(水量20㍑~40㍑ ブリラントフィルター 1~2基)
(水量40㍑~60㍑ ダブルブリラントフィルター 1基)

管理のポイント
・スポンジの洗浄はなるべく行わない。(目詰りしない程度に実施)
・やむをえずスポンジの洗浄を行う際も水換えと同時にしないようにする。
・通常、水流が弱くなったらスポンジを数箇所ポンプにて吸って対処する。


ろ過とは?
「濾過」とは水中の有害物質を無害化することであり、フィルターマットなどで水槽内の汚れや異物を取り除くといった見える濾過である”物理的濾過”と”生物的濾過”に分けられる。特に生物的濾過は水が汚れる原因になる食べ残し・枯れた水草・排泄物から溶け出したアンモニアが、濾過バクテリアという細菌により、硝酸塩に変化していくことにより、水中の有害物質の無害化をする見えない濾過であるが重要な意味を持つものである。
 濾過バクテリアにはアンモニアを亜硝酸に換える亜硝酸バクテリアと、亜硝酸バクテリアを無害な硝酸塩に換える硝酸バクテリアの2種類ある。前述のバクテリアが生活する場所が濾過槽で、中に入れられたフィルターマットや濾材にバクテリアが付着し酸素を取り込む(濾過する)。このバクテリアは酸素がないと生きていけない。その対策として定期的な掃除により、濾材内に適度な隙間を作ってやることでバクテリアの活動がしやすい環境の維持をすることが必要になってくる。要するにきれい過ぎず汚すぎないことが大切なのである。
 濾過のシステムがうまくいっているときは水質の悪化は緩やかであり、水換え頻度を落としても大丈夫になる。理想は水換えはせずにフィルターなどの交換と足し水(蒸発した分水を補充すること)だけで飼育できるようになればいいですが、なかなか難しいですね。

7.餌について(2007・8・14 記)

・餌は沸かし立ての活きブラインシュリンプ中心で1日1回与える。
足りない栄養素は底床の砂粒をハミハミする際に砂粒に付着した微生物や苔などを摂取するのでほぼ問題ないと思われる。
1週間に1度位、栄養補強としてサプリメント代わりにAP-2(ADA)、メディフィッシュ(日動)などの顆粒状人工餌を少量与える。

冷凍赤虫も嗜好性が高く いい餌だが、アピストの成体に使用すると太りすぎなどの弊害を招きやすいので基本的に私は使用しません。
例外的に使用する場合として繁殖を促す場合に一時的に使うなど





8.魚の運搬と水槽へのリリースについて
(私の旧HPコラム2004・10・20掲載分より抜粋)

●水温の変化に注意して運びましょう。
(冬は袋が外気に直接触れないように。夏は炎天下に放置しないなど。)
例)発泡スチロールのケースに入れるなど
 
冬や夏でも運搬時間が30分以内であれば特に問題はないですが、運搬に1時間以上かかる時は店員に何分ぐらいかかるとつげてそれなりの対処をして貰いましょう。
*また、低酸素を気にしがちですが、水温さえ大丈夫ならば1日ぐらいは酸素はもちます。
 
次に水槽への放し方ですが、
●通常のやり方●
①水温を合わせる:買ってきた魚をビニール袋のまま、水槽に浮かべておく。(30分程度)
 
②水質を合わせる:袋の口を開けて袋の中の水を半分出してから、袋の水を捨てたぶんだけ水槽の水を補充する。袋の口を閉じて30分程度放置する。(袋をとじる時空気の入れ忘れに注意する)
 
③袋の中身をバケツなどの別容器に開ける。
(病原菌混入防止のため、水槽に袋の水{タネ水という}を入れないこと)
 
④魚だけを網などですくい、魚を静かに水槽の中に放す。
 
⑤容器内の水を捨てる。
 
●私が考えた新しいやり方●
①5㍑程度の容器を用意する。
②用意した容器に魚をビニールの水毎移す。
③0,5㍑/1杯程度の柄杓を使って魚を入れる予定の水槽の水を容器に入れる。(10分おきに1杯ずつ足していく)
④ビニールの水は約1~1,5㍑程度なので計3回(約1,5㍑)足し水をして徐々に容器内の水温&水質合わせをする。{購入店と飼育予定の水槽の水温&水質が大きく(水温で5℃以上・PHが1以上)違う場合は倍くらい回数をかけること。}
⑤魚だけを網ですくい、魚を静かに水槽の中に放す。(小さい魚の場合は匹数を確認しながら移すこと)
⑥容器の水を捨ててから、水槽に足し水をする。
 
こちらの方が初心者にも作業しやすいし、簡単に出来ると思います。
 
*作業する場所の周囲温が30℃以上のとき&10℃以下の場合は通常のやり方をお勧めします。
 
アピストの推奨水換え法
★アピスト等水質の変化にうるさく時間を掛けてゆっくりと水合わせをする必要がある際にはサイフォンの原理を利用した方法が最適と思われます。代表的なものがエアチューブを使った方法です。
 
道具はエアチューブとチューブストッパー(吸盤)、そして吸い出すもの(ピペット、スポイド等:吸い出す道具が無い場合は口で吸ってもよいが大抵の場合は口の中に飼育水を含んでしまうのでやめておいた方が良い)が必要です。
どうしても道具が無い場合の裏技として水槽の中にエアチューブを全て沈めてやるとサイフォンの原理が使えるようです。
 
通常の使い方は水あわせ調整をする入れ物とこれから魚を入れる水槽の水の中にエアチューブを入れます。{水槽側のエアチューブをストッパーで固定しておくこと}(このとき必ず水槽の方が高い位置にくるようにしてください。)
準備が出来たら低い方のエアチューブの口をピペット等で軽く吸ってやります。そうするとサイフォンの原理で5~10cc/秒ぐらいのスピード(標準の径を使用の場合)で水が流れ出します。この方法は簡単に時間をかけて水合わせが出来るので水質の変化にうるさい魚種でも大丈夫です。(時間をかけられるのであれば一番お勧めの方法です。)

9.RO浄水システム紹介
(私の旧HPコラム2004・5・24掲載分より抜粋)
普通の熱帯魚であれば日本の殆どの水道水をカルキ抜きしたり、家庭用小型簡易浄水器の使用で問題ないのだが、水質にうるさい(例えばディスカスやアピスト等)熱帯魚を綺麗に飼育(自然下での体色再現)したり繁殖させたりするときは特殊な浄水システムの導入が必要になったりする。
我が家の水道水はPH6.85位で硬度もそんなに高くないのでオヤニラミ等は単に水道水をカルキ抜きしたものを換水時に使っているが、アピストの水槽ではR/O浄水システムで水作したものを換水時に使用するようにしている。そこでR/O浄水システムの説明に入ります。
 
R/O浄水システムの名前:エキスパート
特徴:純粋な水の分子だけを通す逆浸透膜(RO)フィルターを採用している{NASAで開発された}
能力:ウイルスをはじめ、トリハロメタン・鉛・水銀・農薬などの不純物を約96%カットできる。280㍑/日のROの水が作れる。(水温25℃の時)オリジナルバルブにより、ワンタッチで『スタンダード』の水とROの水を使い分けれます。
 
フィルターの構成:
スタンダード水作部;セディメントフィルター、ファイバーカーボンフィルター
RO水作部;メンブレンフィルター
で構成されています。
 
RO(逆浸透膜)システムは海水から飲料水(純水)を採取するためにNASA等で開発されたもので原理は生物が半透膜によって真水から塩水に変えて体内に吸収する仕組みを応用して造られましています。その性能は凄いものでコーヒーですら無臭の真水に変えてしまい、どぶの水ですら飲料可能な水にしてしまうほどです。エキスパートの浄水は次の3段階に分かれます。
 
①セディメントフィルター(物理的濾過)
主に水垢や藻(アオコ)などの不純物を物理的に濾過する。
②ファイバーカーボンフィルター(吸着濾過)
高性能活性炭フィルターで塩素イオン・有害物質を吸着濾過にて除去する。
③メンブレン(逆浸透膜)フィルター
①、②で取り除き切れないトリハロメタン、ヒ素、バクテリアなどの有害物質を全て(96%以上)除去する。
 
この中では特に③の段階が一番重要なこの浄水器の核とも言うべきものです。
 
スタンダード水作部では残留塩素の除去や鉄サビや藻などの侵入を防止できます。
RO水作部ではスタンダードの水作機能はもちろん、細菌、重金属の除去、総硬度を下げたりイオンを除去し、TDSを落とすといった本当の純水にする機能があります。
 
ROで作った水は本当の純水に限りなく近い為、そのままで使うと熱帯魚は生きていけません。
そこでTDSやKH等を調整する為にスタンダード水作部で作った水とRO水作部で作った水を1:1にブレンドして使います。
 
使用の感想ですが、フィルターの交換時期さえ間違わなければ魚が病気になりにくくなかなかの効果を発揮しています。ただかなり高価(エキスパートで¥69,000、スタンダードでも¥29,800)なことと硬度がかなり低いためPHの変動が起りやすいことが気になります。そこで私はR/O:スタンダード:水道水を0.5:1:0.5の割合で使うようにしていますが、結論として特殊な魚を飼育・繁殖するのでなければ水道水をカルキ抜きして使うだけで充分事足りると思います。
 
◎エキスパート以外にもニュースタンダード・ニュープロなどのグレードがあります。
(興味の或る方は当HPリンク集のマーフィード社サイトを見てください。)

10.アピストグラマの自然性転換について (2007・12・17 記)

アピストブリーダーの間では周知のことですが、アピストは生後一定期間の間、自然に性転換することがあります。影響を与える要因としては

PHと水温と考えられています。具体的には

・PH低め、水温高い→♂化促進
・PH高め、水温低い→♀化促進


この法則が分かっていれば雌雄の偏りが大きい時に雌雄のバランスを調整することができます。私はこの法則を利用して育成しているので今まで極端な雌雄の偏りができたことはありません。

何故このようになるのかは、はっきりとは分かりませんがホルモン操作が関係しているのではと考えられます。




 
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