(私の旧HPコラム2004・5・24掲載分より抜粋)
普通の熱帯魚であれば日本の殆どの水道水をカルキ抜きしたり、家庭用小型簡易浄水器の使用で問題ないのだが、水質にうるさい(例えばディスカスやアピスト等)熱帯魚を綺麗に飼育(自然下での体色再現)したり繁殖させたりするときは特殊な浄水システムの導入が必要になったりする。
我が家の水道水はPH6.85位で硬度もそんなに高くないのでオヤニラミ等は単に水道水をカルキ抜きしたものを換水時に使っているが、アピストの水槽ではR/O浄水システムで水作したものを換水時に使用するようにしている。そこでR/O浄水システムの説明に入ります。
R/O浄水システムの名前:エキスパート
特徴:純粋な水の分子だけを通す逆浸透膜(RO)フィルターを採用している{NASAで開発された}
能力:ウイルスをはじめ、トリハロメタン・鉛・水銀・農薬などの不純物を約96%カットできる。280㍑/日のROの水が作れる。(水温25℃の時)オリジナルバルブにより、ワンタッチで『スタンダード』の水とROの水を使い分けれます。
フィルターの構成:
スタンダード水作部;セディメントフィルター、ファイバーカーボンフィルター
RO水作部;メンブレンフィルター
で構成されています。
RO(逆浸透膜)システムは海水から飲料水(純水)を採取するためにNASA等で開発されたもので原理は生物が半透膜によって真水から塩水に変えて体内に吸収する仕組みを応用して造られましています。その性能は凄いものでコーヒーですら無臭の真水に変えてしまい、どぶの水ですら飲料可能な水にしてしまうほどです。エキスパートの浄水は次の3段階に分かれます。
①セディメントフィルター(物理的濾過)
主に水垢や藻(アオコ)などの不純物を物理的に濾過する。
②ファイバーカーボンフィルター(吸着濾過)
高性能活性炭フィルターで塩素イオン・有害物質を吸着濾過にて除去する。
③メンブレン(逆浸透膜)フィルター
①、②で取り除き切れないトリハロメタン、ヒ素、バクテリアなどの有害物質を全て(96%以上)除去する。
この中では特に③の段階が一番重要なこの浄水器の核とも言うべきものです。
スタンダード水作部では残留塩素の除去や鉄サビや藻などの侵入を防止できます。
RO水作部ではスタンダードの水作機能はもちろん、細菌、重金属の除去、総硬度を下げたりイオンを除去し、TDSを落とすといった本当の純水にする機能があります。
ROで作った水は本当の純水に限りなく近い為、そのままで使うと熱帯魚は生きていけません。
そこでTDSやKH等を調整する為にスタンダード水作部で作った水とRO水作部で作った水を1:1にブレンドして使います。
使用の感想ですが、フィルターの交換時期さえ間違わなければ魚が病気になりにくくなかなかの効果を発揮しています。ただかなり高価(エキスパートで¥69,000、スタンダードでも¥29,800)なことと硬度がかなり低いためPHの変動が起りやすいことが気になります。そこで私はR/O:スタンダード:水道水を0.5:1:0.5の割合で使うようにしていますが、結論として特殊な魚を飼育・繁殖するのでなければ水道水をカルキ抜きして使うだけで充分事足りると思います。
◎エキスパート以外にもニュースタンダード・ニュープロなどのグレードがあります。
(興味の或る方は当HPリンク集のマーフィード社サイトを見てください。)
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